イタリア奉仕団 その4 瞑想指圧

瞑想指圧とは何ぞや?

5月に来日したイタリアの東北支援ボランティアの沖ヨガのメンバーは、グループ名が「アースヒューマンハーモニープロジェクト」と言い、イタリア政府公認 「沖道密教ヨガ総合自由大学」の卒業生が殆どで、みなさん瞑想指圧の資格を持った人ばかりです。
同プロジェクトは、毎年モロッコへ井戸堀のボランティアに行っているそうです。
今回は東日本大震災の被災地の方々に、瞑想指圧やマッサージなどでボランティアをやらせてもらう目的で来日しました。

ところで「瞑想指圧ってナンだろう」と思うでしょ?
イタリアで沖道ヨガを広め確立させた故沖正弘先生の直弟子の一人の八尋氏が考案したもので、瞑想をしながら被験者の患部に指や手を当てて、気を通すというものです。
指圧の後に、テーピングを施します。
河北新聞にも載った一人のダビデは、そこの副校長です。
一般の指圧というイメージとは少し違うのですが、体験者の感想は、血流が良くなり温かくなって、とても身体が軽くなるそうです。
残念ながら私は体験できなかったのですが、お疲れのマツヨシさんは私がいる間、瞑想指圧といわず、マッサージだろうが、骨ゆらしだろうが、誰かれなく、時間を見つけては、やってもらってたな。
さぞやお疲れのこことお察しいたします。
ごくろーさん。

その日、瞑想指圧後の感動的な場面に私は出会いました。
宮城県石巻から、さらに奥まった被災地の仮設住宅での出来事でした。
一人の女性が、膝が痛くて歩いたり、立ったり座ったりがうまくできないと言うことでした。
まずはどこが痛いのか、どのような状態なのかを聞いて、施術者であるマリアに伝えなければいけません。
日本語で聞いて、英語でピナに伝えて、ピナがイタリア語で施術者に通訳するのですが、その日は2班に分かれたため、英語ができるチエコさん、マツヨシさん、ピナがいません。
その日はじめて東北へ駆けつけて合流した私に戦慄が走ります。
ウ、ウ・・・ど、ど、どーしよう。

ここは「女は愛嬌、まちこは度胸」で、怪しげな英語をトキナリ(八尋氏のご子息・英語少々)に伝え、あとは子供のころ「杉の子劇団」および高校時代に演劇部に所属していた私は、得意のボディランゲージを!
マリアには何とか通じたみたい。ほっ・・・。

瞑想指圧は、施術者が集中を高めるため、大変静かです。
10人以上がそこにいても、実に静か!
ゆったりとした、厳かな雰囲気のなかで行なわれます。

静かに厳かに行なわれる瞑想指圧

静かに厳かに行なわれる瞑想指圧

ところがその日はじめて東北へ駆けつけその場に合流した私は、随分静かだなぁと思いつつ、みんなの様子を見ていると、一人のおばあさんが私にやたら話しかけてきます。
きっと話し相手が欲しいのだろうなと思い、二人でおしゃべりをしていました。
あとで・・・日本人スタッフに注意されました。
「静かに!」 すんません。m(_ _)m

さて、ひっそりとした穏やかな中でマリアは、施術を行いテーピングを終えました。
すると膝の痛みで動きがままならなかった彼女が、すっくと立ち上がったのです。
「あれ?」じぇじぇじぇ!!!
彼女は「信じられない! こんな風にスッと立てるなんてウソのようだ」と吃驚し、マリアと私に目にいっぱい涙を溢れさせ、その感激を話してくれました。

感動のあまり涙する彼女と同じように涙するマリア

感動のあまり涙する彼女と同じように涙するマリア

マリアも判ったのでしょう。彼女自身も目に涙がいっぱい。
私も胸がいっぱいになりました。

感動の一瞬

感動の一瞬

ろくな通訳ができなくても、言葉は通じなくても、心は通じるんですねェ。
素敵な感動的なひと時でした。
「いがった・・・」(東北弁調でどうぞ)

 

 


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