在日ジャイナ教徒たちによるパジャンキエールタ

 一昨日、在日ジャイナ教徒の方々によるパジャン(マントラを唱えながら歌うこと)に参加してきました。

 私が所属する日本プレクシャ・ディヤーナ協会(http://jp.preksha.com/)では、ジャイナ教の瞑想法を勉強していますが、最近縁あって、在日インド人でジャイナ教徒の方々と交流させていただくことになりました。
インドの瞑想キャンプでも、毎日マントラを旋律に乗せて歌うようにして唱えるパジャンキエールタを行いますが、在日ジャイナ教徒の方々も月に1回ほど集まって行っているそうです。

場所は御徒町・・・なんで御徒町? 
それは宝石の街だから・・・なんで宝石の街?
ジャイナ教徒だから・・・なんで宝石なの?
ジャイナ教徒は「アヒムサー=不殺生」が第一ですから、土の中であれ、海の中であれ、命を傷つけないよう農業や漁業の仕事にはつきません。
だから商業や商売を生業としている人が多く、中でも宝石商の人が多いということです。

 御徒町の駅からしばらく歩いて、とあるビルのドアを押すとお香の香りが漂っています。
突然、雑踏の御徒町の街から、別な世界に潜入したという感じが濃厚にします。

 私たちが瞑想を学んでいるシュヴェターンバラ(白衣派)のテーラパンタ派は、偶像崇拝はせず寺院も持ちませんが、同じジャイナ教でも、派によって寺院を持ち、仏像を祀るところもあります。
「インド瞑想の旅」で訪れたジャイナ教寺院がそれですね。
在日ジャイナ教徒のリーダーであるスニーィルさんはディガンバラ(空衣派)だということですが、「ジャイナ教は宗教ではない。生きるための叡智である。宗派などはこだわることはない」とお話されていました。
すばらしい!

 2階に上がると部屋の中に祭壇があり、そこに祀られているのは、額に入った写真でした。
3.11の地震のあと、写真にある像は神戸に移したそうです。
お顔を見ると「かわゆい♪」
なんだかとっても可愛いお顔をしています。

24人のティールタンカラ(解脱者)のうちの一人だそうです。可愛い

24人のティールタンカラ(解脱者)のうちの一人だそうです。可愛い

 そこでお参りをしてから、さらに上の階に上がると何やら賑やかな音楽が聞こえてきます。
その部屋には、鍵盤楽器のハルモニウムや打楽器のタブラを打ち鳴らしながら、パジャンを歌うアショークさんがいました。

パジャンを行う・歌うアショークさん

パジャンを行う・歌うアショークさん


ハルモニウムとタブラを演奏するのは日本の人

ハルモニウムとタブラを演奏するのは日本の人

祭壇にはやはり神戸に移されてしまった像の写真が並んでいます。

壁際に飾られた祭壇

壁際に飾られた祭壇

 それらはジャイナ教の24人のティールタンカラ(解脱者)の方々だそうで、最後の24番目がジャイナ教の始祖である「マハヴィーラ」です。

24人のティールタンカラの絵

24人のティールタンカラの絵

 お顔がみんなとても可愛いらしく、なぜなのかと聞いたら、子供のように清らかで無垢なことを表しているのだそうです。

みんな可愛いお顔

みんな可愛いお顔


その祭壇に向かって右に女性たちが座り、左側に男性たちが座ります。
集まったジャイン(ジャイナ教徒)の方々

集まったジャイン(ジャイナ教徒)の方々

 在日インド・ジャイナ教徒の方々に加え、その日はNPO 南アジア協会主催の南インド寺院見学ツアーの日本人の方々も参加されていました。

 パジャンをやる意味は、マントラを歌にして気持ちを解放させたうえで、自分自身を見つめ直すということのようです。
その言葉通り、マントラを唱えるというか歌っているアショークさんや参加されたインド人の女性は実に気持ちよさそう。
一緒に口ずさんでいるインド人の方もいました。
ラドヌーンで聞いたパジャンより、リズム感のあるものが多く、自然に体が左右に揺れて楽しかったですよ。

 その後、階下の寺院の部屋に戻り、お皿にロウソクを灯し、まずは男性たちがそのお皿を持ち、マントラを唱えながらそのお皿をぐるぐると水平に回します。
DSC_1196

ヒンズー教でも火を祀る儀式が多いですよね。
その流れでしょうか?

歌ったマントラの意味がわかったら、もっと楽しかったでしょうね。
今度は内容を聞いてみましょう。

 隣りに偶然座ったのは、アショークさんの奥様であるアミータさん。
二十で結婚し、すでに28歳のお子さんがいて、某有名銀行にお勤めしているとか。
彼女自身は、インターナショナルスクールの幼稚園部にお勤めだそうです。
もうひとり14歳のお子さんは、なんと公立の上野中学校に通っているとか。
入学前に学校に電話して、給食を菜食に対応してくれるかどうか確認したら、OKをもらったので、その学校に決めたそうです。
菜食は一人だけ。びっくりですね。
日本の学校も捨てたものではありません。
たった一人の菜食主義の生徒のために、ちゃんと対応してくれるなんて、上野中学校すごい!
さらにインドでサリーを買ったはいいけれど、着方がわからなかったので、アミータさんに今度教えてくださいとお願いをしました。

 異文化に触れることが出来るだけでなく、さらにインドを訪れても、なかなかお友達にまではなれませんが、ここでは素敵な出会いがいっぱいありそうです。

 今週末の22日の土曜日には、ジャイナ教を通じて、日本とインドを結ぶ交流会が初めて開催されます。
https://www.facebook.com/home.php#!/events/245686315605742/?ref_dashboard_filter=upcoming&source=1

 今後の瞑想会やワークショップによりさらにご縁が広がるのは大きな楽しみです。
どうぞみなさんご一緒しませんか?



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